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一目散に駆け出して行った。 麗子はコロコロと笑っている。 「夫婦揃って同じことをいうんじゃない…」 オレは困った顔を麗子に見せた。 「交通事故、かなぁー…  轢死だとほぼばらばらだからなぁー…」 「ええっ?!  本当のことだったのぉー?!」 オレの言葉に早百合が驚きの声を上げた。 「人間的に見るとごく普通の可愛い少女だ。  だが仏の目で見ると真実が見える」 「…人間の目で見てあげて欲しい…」 早百合が少し涙ぐみながらオレに訴えた。 オレは小百合の言う通りにすることにした。 学校に帰り着いて学食でひと通り喜んだあと、 グランドにいた少女に話を聞くことにした。 麗子、源次、詩暖、早百合とオレが少女を囲んだ。 「悪霊がつくとね、もう人間界に戻れないって…  それが嫌だから…  犯人、捕まえて欲しいって思って…」 「犯人って、君を車で轢いた犯人でいいんだよね?」 「そうなんだけどね、たくさんの人を殺してるの、この犯人…」 少女の名前と犯人の特徴を聞いて、ノートパソコンを用いて早速調べ上げた。 「犯行は三年前…  犯人、死んでるぞ。  自殺…  これは一体…」 「もうひとりいたの。  こっちがね、本当の犯人なの。  顔をね、替えちゃったの。  犯人は女優の高梨慶子さん…     
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