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「わ……」
「すみません」
俺の間抜けな声に被さるように、瞬時に聞こえたその声は、女だった。
「あ、こちらこそすみません」
慌てて俺も謝る。
びっくりした。心臓止まるかと思った。全然気づかなかった。
そこでようやく、ぶつかってしまった相手を俺は見た。
そして、さらに驚く。
女の子、だった。
小学生か、中学生か、それくらいのまだ幼い女の子。こんな時間に一人って、塾帰りとかだろうか。
まあ、でも気にしても仕方ない。
俺はすれ違って進もうとする。
が、しかし。
「星のこと?」
女の子の声だった。
思わず足が止まった。
「星、見えないなあって思った?」
「え……」
俺は動けなくなる。
「当たりでしょ?」
女の子と目が合った。俺はその女の子と向かい合っていた。
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