0人が本棚に入れています
本棚に追加
夏のある日、ハルは信じられないくらい綺麗な女の子に出会った。
その子は公園の砂場で、何をしたらいいかわからないというように立ちすくんでいた。スノードロップの花のような白いワンピースを着ていた。
ハルは思わず声をかけた。
「ねえ」
振り返ったその子は、驚いた様子も見せずに、涼し気な光を浮かべる瞳を瞬かせた。
「あたしはハル」
「わたしはユキ。ユキって呼んで」
その子は、まるで生まれたばかり赤ん坊のように純粋な笑顔を浮かべた。
ハルが手を差し出すと、ユキはそっと小さな手を預けてきた。その白く柔らかい手は、ひんやりと冷たかった。
ハルとユキはすぐに仲良くなった。
たくさん遊んだ。人形遊びもかくれんぼも縄跳びも、同じ年頃の女の子がやる遊びは全部二人でやった。楽しくて仕方がなかった。どんなに一緒にいても飽きることはなかった。
最初のコメントを投稿しよう!