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ある日、男の元にセールスがやって来た。
ニコニコと人当たりの良い笑顔を浮かべたセールスマンは、鞄からシンプルな香炉を取り出して言った。
「これは反魂香といって、亡くなった方と会うことができる素晴らしい商品なんです。お客さまにも、今も忘れられない、もう一度会いたい……、そう思っている方はいらっしゃいませんか?」
男は妻のことを思い出した。
また妻と会えたなら、孤独を癒やすことができるかもしれない。
男は香炉を一つ購入した。大した額ではなかった。
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