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私は部屋の入り口の217という部屋番号を見ながら大きく深呼吸した。 もしかしたらここが最後の場所になるかもしれない…。 そんなことを考えながら部屋に入ると、部屋にはもう一人の患者さんがいた。 名前は田沼さんといった。 年齢は40手前くらいだろうか。私の両親と同じくらいに見えた。 彼と目が合ったとき、 私は彼に小さく会釈をした。 彼もまた私に会釈をした。 私はなんだか気まずくなって目を逸らした。 ちょうどその時、雨が堰を切ったように降り始めた。 その無数の雨は乾いたコンクリートの壁をじわじわと湿らせた。 私はその壁をただ茫然と眺めるのだった。
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