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控え室にて
新郎・彰が扉を開くと、そこには純白のウエディングドレスを纏った桜の姿があった。
「どう？」
桜が言う。
純白に透き通るヴェールの向こう側で桜は笑った。
「うん。似合ってる。とっても素敵だよ」
彰が答える。
結婚式を直前に控えて、桜は実に幸せそうだ。
ただ、この２人には嘘がある。
彰はヴェールの向こう側を見据えた。
真っ直ぐな目だ。
それに桜は真っ直ぐな視線を返せなかった。
桜はヴェールの裏側に悲しい真実を隠している。
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