9人が本棚に入れています
本棚に追加
「桜ちゃんは女子力高いよ。料理上手いし、掃除や洗濯や、家事も完璧にこなすじゃないか。そういうところが好きなんだ。……でもさ。それが桜ちゃんを勘違いさせちゃったんだね。そんな僕の言葉が、桜ちゃんを無理に女子にしようとして、無理な嘘を吐かせてしまったんだ。……頑張らしちゃって、ゴメンね。桜ちゃん」
彰君が言う。
そのカッコ良さに、ちょっとだけ、私はそれまでのドタバタも忘れて見惚れたのだが……、
「彰、私は……」
「ゴメンね。もう、嘘は吐かなくて良いよ。だって、それ以外にも全部知ってるもん。……こないだ遅く帰ってきた時は女子会だって言ってたけど、それも本当は1人で麻薬シンジケートに潜入して、組織を壊滅させて来たんだろ」
……彰君。せっかくドタバタ忘れかけてた矢先に、また、スゲェのブッこんできたね……。
「バレてたんでありますね」
「そりゃバレるよ。だって、血だらけだったじゃん」
「そうでありますね。返り血だったから大丈夫かと思ったんですが……」
返り血のがアウトだよ。
ってか、1人対シンジケート。
桜さんは無傷って、どんだけ最終決戦兵器なのッ?
「それにもう一つ。猫カフェで猫と戯れるのが趣味って言ってるのも、実は北海道でヒグマとバトルしてるんだってことも、……僕は知ってた」
……だから、爽やかにブッこみゃ良いってモンじゃないんですよ、彰君……。
「それも、バレてたんでありますか。私は嘘が下手でありますね」
「まぁ、すごい傷だったからね」
最初のコメントを投稿しよう!