入場

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 そこにはウエディングドレス姿の……、  扉の枠に収まりきらない巨体。  オフショルから覗くゴリゴリの上腕二等筋。  ヴェールの下にはみ出る、2つに割れたアゴ。そして青い髭痕。  豊満な胸、じゃなくて屈強な胸筋。  繰り返しますが、ウエディングドレスです。  何ですか、コレ?  皆、絶句してますが?  落ち着け、私。落ち着くんだ。  そう自分に言い聞かせて、私は再び花嫁を見る。 「コー、ホーー。……コー、ホーー。」  ヴェールの向こうから某宇宙戦争の黒い悪役のような息遣いが聞こえた。  アレは……、  ……何だ?  私の中での彰君の花嫁理想図は、もうドラマのヒロインのようなスーパーモデル体型美女か、もしくは可愛らしい子猫のような天真爛漫美少女か、そういうモノだったはずだ。  しかし目の前には世紀末系ゴリマッチョの……、  そもそも、女なのか? アレ?  男じゃないのか?  私は胸で判断しようとしたが、胸筋がすごすぎて全く解らない。  まぁ、100%勘だけで言えば……、                 男だ。  いや、百歩譲って男だとしてもだ。  もうちょっと、小動物属性の年下イケメンとかで何とかならなかったのか?  私はハッとした。     
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