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(少しでもお礼返しとかないと!)
朝のうちに返礼しきれなかったフォロワーへ、晴人は素早く、しかし心を込めた礼の言葉を送った。『ジャギュリア』がゲーム世界から消えたというニュースが彼の集中力を上げ、昼休みが終わるまでの間に5人のフォロワーへ返礼することができた。
その後で、手にしたパンを口に詰め、ほとんど噛まずに牛乳で無理やり流し込む。彼はのどの奥に若干の異物感を覚えつつ、午後の仕事を開始した。
午前中からどうにか上げてきたテンションと嬉しいニュースが重なることで、午後からは見違えるほどに仕事の速度が上がる。それを感じることでテンションが上がりさらに集中力も上がるという、正のスパイラルが彼の中で巻き起こる形となった。
(よし…! どうにか乗り切ったあー!)
晴人は思わず両手をあげて笑顔を見せる。終わってみれば、いつもより早く仕事を完了させることができた。
そこへ上司が近づき、彼の頭を軽く叩く。
手をどけるとすぐに、弾むような声で晴人にこう言った。
「よくやったな三沢! 定時よりちょっと早いが、今日はもうあがっていい!」
「え、マジすか!?」
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