滴る鉄の網

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「んー…なんだろうな、対人で負けた恨みをオレにぶつけてるって感じなんだが…他にもいろんな問題を起こしてたヤツらしい」 「ふぅん…他の問題はともかく、恨みをぶつけてくるってのは穏やかじゃないな」 「そうなんだよ。呪いの手紙みたいなメッセ送られて、けっこうしんどくてな…運営にはもう助けてくれって言ってあるんだけど、なんかもう怖いしめんどくせーしで、そのゲームからもちょっと離れちゃってるんだ」 「そりゃもったいないな…とはいえ、しんどいとこにわざわざ行くのも…しんどいよな」 「ああ」  晴人がそう答えたところで、注文したラーメンがやってくる。  話は風が止むように中断され、ふたりは自分のラーメンを食べ始めた。 (…なかなかうまいな)  晴人はバターコーンラーメンを注文していた。  少しだけくどさのあるバターが、スープとあいまって絶妙のこってり感を演出している。 「すいません、ライス」 「あいよー!」  晴人はこってり感をさらに楽しむため、追加でライスを注文した。  それを見た隆も、負けじと追加注文する。 「すいません、半チャーハン」 「あいあいよぉー!」 (チャーシューメンに半チャーハン?)  こってりとこってりの組み合わせに、晴人は思わず隆を見る。見た先には、得意げな表情を浮かべてこちらを見る隆がいた。  晴人はニヤリと笑って彼に言う。     
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