***

4/20
前へ
/20ページ
次へ
 バスケ部とは何の関係もないわたしが、大ちゃん先輩と並んで歩けるのは運が良かっただけ。  お兄ちゃんがバスケ部にいて、たまたま一緒に帰ったことがあったから。お兄ちゃんが"大ちゃん"って呼ぶから、わたしは"大ちゃん先輩"って呼ぶようになった。  そんなふうに呼ぶのはわたしだけ。ちょっと自慢。 「大ちゃん先輩」 「そう呼ばれるの、何だかくすぐったいな」 「何を興奮してるんですか?」 「だって瀬名ちゃん、可愛いから」  満面の笑みで隣に立つ大ちゃん先輩は、いつもわたしの心を鷲掴みにしてくる。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加