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こんな所で泣けない。
だって先輩が隣に居る。
ここで泣いたら余計に嫌われる。
私は涙が零れ落ちないように前を見て、奥歯を噛んでぐっと堪える。
なんとか涙は零れずに引っ込んでくれたところに、目の前には駅のホームが現れていて、電車は既にスピードを緩めていた。
隣の先輩が無言のまま立ち上がった。
「じゃあね」
やっと話してくれた。
でも私の方を見てもくれない。
このまま「さようなら」は嫌だ。
「修学旅行、楽しんできて下さい」
私はなんとか笑顔を張り付けた。
でも先輩はやっぱり私を見てくれない。
私、伊勢谷先輩にとことん嫌われた……?
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