38人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
先輩の前に辿り着くと、変に呼吸がおかしいことに気付いた。
この動悸は今から言おうとする言葉のせいだ。
心臓は脳まで煩いほど響いている。
喉が緊張のせいで変に渇いてきた。
でも私も伝える。
目の前の先輩を捉えると私は口を開く。
「私は、いつも先輩と同級生になりたかった……。翠先輩が羨ましくて仕方なかった……。伊勢谷先輩と一緒に修学旅行に行きたかった……」
伊勢谷先輩は私をずっと目を見開いて見ている。
恥ずかしくて、緊張しすぎて、心臓が破裂しそうだけれど、最後まで伝えるんだ。
「だって私は、ずっと伊勢谷先輩が好きだったから……!」
私は心臓をドコドコ鳴らしながらも、なんとか伊勢谷先輩へと気持ちを伝えた。
言った……
言えた……。
最初のコメントを投稿しよう!