先輩との距離

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先輩の前に辿り着くと、変に呼吸がおかしいことに気付いた。 この動悸は今から言おうとする言葉のせいだ。 心臓は脳まで煩いほど響いている。 喉が緊張のせいで変に渇いてきた。 でも私も伝える。 目の前の先輩を捉えると私は口を開く。 「私は、いつも先輩と同級生になりたかった……。翠先輩が羨ましくて仕方なかった……。伊勢谷先輩と一緒に修学旅行に行きたかった……」 伊勢谷先輩は私をずっと目を見開いて見ている。 恥ずかしくて、緊張しすぎて、心臓が破裂しそうだけれど、最後まで伝えるんだ。 「だって私は、ずっと伊勢谷先輩が好きだったから……!」 私は心臓をドコドコ鳴らしながらも、なんとか伊勢谷先輩へと気持ちを伝えた。 言った…… 言えた……。
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