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言えた達成感だろうか。
言うまではあんなに躊躇していたのに、今はハッキリと先輩の気持ちを聞きたくなっている。
「先輩は私を好きですか?」
「なっ!」
そう思った私は直球で訊くと、どんどん先輩の顔が赤くなっていく。
しかもまるで林檎みたいに赤々としてる顔。
狼狽える先輩。
こんな先輩を初めて見た。
翠先輩と話している時には見たことのない表情。
私しか知らない表情。
「さっきので分かっただろ!」
だから先輩の口からハッキリ聞きたいの。
「分からないので、ちゃんと教えてくれませんか?」
私は強気に返す。
「ななっ!」
益々狼狽していく先輩。
いつも意地悪な先輩を私が翻弄させているなんて。
私しか知らない伊勢谷先輩を私だけにもっと見せて?
End.
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