命の綱引き

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俺はしばらく呆けていたがやがて我にかえり、綱を握りなおすと渾身の力で引いた。 両のこめかみが痛くなるほどに。 そのまま引き続けると、やがて何かが俺の耳に届いた。 「うげっ」 それは呻き声と言うかなんと言うか、とにかく苦しげな人間の声に聞こえた。
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