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突発的な興奮が熱を帯びて、体の中心に下りてくるのが分かった。
僕はウスピタをダッシュボードの中に直し、ポケットからスマホを取り出した。
最新の着信履歴を表示し、タップしてから耳に当てる。
しばらくして、電話は繋がった。 もしもしー? 電話口の向こう、菜々子ちゃんは驚きと喜びを混ぜ合わせたような、慎重な声をしていた。眉を潜ませながら微笑している顔が、目に浮かぶ。
「あ、僕だけど。 やっぱ言う通りだったよ、さっき確認してきた。
フッ。アイツとは、もう終わりにする。ごめんね、ありがとう本当に」
僕への慰めに対するお礼や、菜々子ちゃんにかけた迷惑への謝罪、それらをお互い真面目さを含んだ穏やかな口調でやりとりし合った後、
「今から行っていい? ホントに色々迷惑かけちゃったし、ちゃんと謝りたい。
......いやいやホントに悪いと思ってるからさ。......たまには愚痴らせてよ、お願い」
すぐ近くにある菜々子ちゃんの家で会う事になり、電話は終了した。
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