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ドアを開けたらタヌキがいた。
勧進帳とトックリを持った巨大タヌキの置物。
「……超デカいブツ持ってるね、ジョセフィーヌくん…(明らかにオトコ)」
そして、この“小屋”には愛らしいキッチンもリビングもついていた。
螺旋階段を上ると天窓がある。どうやら二階が寝室らしい。
(今度こそ驚かないぞ!)
゜・*:.。..。.:*・゜゜・*:.。..。
「ぎゃあ!」
「おかえりまんぐぅすっ!」
「ニャー北條?!ほ、北條さん?!」
ドアを開けたら。
カエルの着ぐるみに着替えた北條さんが手を振っていた。窓にしがみついて。
(この部屋、ベランダとかないはず!)
「二階ですよね!?」
「自力でのぼる高いトコは大好き、ニャー!
今日からよろしく、ぴょーんっ!」
二階から軽やかに飛び降りて去っていく長身に絶句する。
「北條さんと双子とは思えない…。敏腕の医療系弁護士で、会計事務所も経営しているっていうのは、“外面良雄さん”の方?」
(婚活パーティーで会った時の雰囲気と違うけど、でも)
「ニャーさんもかわいいな」
外面良雄さんの、さみしそうな微笑も思い出す。
「外面も、けっこう好きかも」
私は大きく背伸びをした。
「さあ!婚活リベンジ、頑張るぞ!」
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