一枚目 突然

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楓真は奏を抱き上げた。 「車どこに停めてますか?」 「隣のコインパーキングに。」 楓真は美桜の方に向いた。 「多分僕、次の授業遅れると思うから先生に言っておいてくれないかな?」 「うん、わかった。」 そう言うと楓真は奏を抱えたまま保健室を出た。 奏の母親は車のロックを外し、後部座席のドアを開けた。 「あ、ありがとうございます。」 楓真はそっと奏を車に乗せた。 その時屈んだため、奏は楓真の前髪の下の素顔を見たが、意識が朦朧としていた。 「じゃあ、お気をつけて。」 「本当にありがとうね。」 楓真は颯爽とその場を離れた。 教室に着いた頃にはもう授業が始まっていた。 皆、楓真が教室に入ると、もてはやした。 楓真はどこか居心地が悪そうに自分の席に座って、授業を受けた。 その翌日、奏は学校には来なかった。
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