副団長の苦悩。

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ハリムは自分で言うのもなんだがモテる。 非常にモテる。 爵位は子爵だが近い内に伯爵になることがすでに決まっている。 英雄の補佐官で切れ者だと評判な将来有望な騎士の筆頭であり顔も悪くない。 筋肉ダルマの多い第2師団の中でハリムを始めとする例外は女子たちのあこがれの的でありターゲットである。 常に肉食系女子が絡んでくるが、なんとか上手くかわしている。 だがその少女の笑顔はこれまでに見た女たちの誰とも違っていた。 媚のない素直な笑顔。 その笑顔にハリムは恋をした。 その後のハリムは訓練所で常に彼女の姿を探すようになった。 彼女はいつも少し離れた場所でこちらを見つめている。 ハリムは彼女を見つけるとわざと彼女の目に入りやすい位置で部下たちに訓練をつけたりする。 ちょっとだけカッコつけて数人を一度に相手してやっつけてみたり、わざとらしく上着を脱いで汗を拭いてみたり。 他の肉食系女子たちはきゃーっという悲鳴を上げるが彼女はいまいち反応が薄い。 というかもしかしてハリムに興味がないっぽい。
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