RPG010

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この世界が何なのかはまったくわからなかった。 あと一撃で死ぬ、痛みと恐怖で絶望している俺の 前で俺を殺すべく行動を起こしたその雑魚の スライムは上空から降ってきた 一本の銅の槍に貫かれ絶命した。 「なっさけねえな。初期エリアの雑魚相手に 死にかけるとかありえねぇだろ。」 そう言うと俺を哀れみと侮蔑の表情で 見下ろす一人の少女がいた。 銅の鎧と銅の槍を装備した。 立派な槍騎士は俺の手をとると 腰の袋から薬草を出して 渡してきた。 「飲めよ。10くらいは回復するぞ。」 どうせ、3ゴールドで売ってるし そこらを探索すれば拾えるぞ、 そう言うと、遠慮する必要はないとばかりに 大仰に手を振った。 「あ・あ・ぁ、ありがとうございます~~~。」 俺は緊張が解けたのか、 助かったと言う事実と、 まったく無関係な他人を 何の見返りも求めずに 助けてくれた人がいたと言う事実に 感動して号泣しながらひたすら お礼を言い続けていた。 もぐもぐと薬草をほおばり 飲み下した。 ニガヨモギやドクダミのような味かと思いきや 意外なことに、オレンジ味だった。 槍戦士は、草原に出かけたプレイヤーが 二度と戻らないことが しばしばあって、そういった初心者を 手助けして回っているらしい。 「お前職業何?」 槍戦士は俺があまりにも弱いので     
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