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栄えている。作り出された布生地から様々な服、帽子、ズボンやチョッキ
などが職人の手により作られていた。そのため、かなり供給過剰であり
綿製品の販売価格は非常に低く抑えられていた。
ゆえに商人たちは、ここで綿製品を買い入れ、ヨーロッパ大陸全土に
せっせと海を渡って、商品を運び利益を出していた。
と言えば聞こえはいいが、「ヨーロッパ大陸全土の布製品が暴落し
諸列強が大損害を受けている。」と言うのが正しいのだろうか。
布製品と関係の無い職業の人々は安くなって大喜びだろう。
まあ、それも彼らにとっては 「明日はわが身」であるのだが。
商品が下がれば通貨は上がる。
買うためにはポンドが必要だが、売って手に入るのはポンド以外だ。
当然ポンドの価値が上がる。というのが、ハッペンハイム銀行の方針だ。
もっとも、真の目的は他にあるのだが、守秘義務があるので
若輩の私が話すことは、今は出来ない。残念だが。
大英帝国、特に我々にとって最も怖いのが、実力行使、軍事力だ。
いくら金を貸そうが、彼らの通貨が下がろうが、戦争に負ければ終りだ。
だが、7つの海を支配する世界一の大帝国は、四方を海に囲まれている。
陸上戦力による侵略は不可能であり、世界最強の海軍である
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