監獄の住人 Citizen of Prison

20/133
前へ
/266ページ
次へ
「ナスィ」とはヘブライ語で、「トップ」の意味だ。 シメオン族のトップは族長、イスラエル王国のトップは当然、「国王」 天地万物のトップは「神」である。色々な意味のある言葉ではあるが、 ここでの、「ナスィ」はある一族のことだろう。 ネーデルランド独立運動の最大の支援者にして、謀略を仕掛けた人物 「グラツィア・ナスィ」、 オスマンの海賊としてキリスト教徒を討ち破った「ヨセフ・ナスィ」 この2人は「ドナ・ドン」つまり貴族だ。 ヨセフ・ナスィは従妹であるグラツィアの娘を娶った。 つまり現在においても、2千年以上前の古代イスラエル王国の正統王位継承者、 いや、それ以上の意味がある。 神、ヤハウェと十戒を契約した「モーセ」の正統な後継者である。 「ナスィ」とは 神のファミリーネームであり、すなわち、 ブナイブリス(契約の子供達)と言う意味である。 (※契約の息子達と訳すのは、モーセが男性であったため) 「馬鹿な!」 思わず、ハイヤーハムシェルは声を上げていた。 本気でハッペンハイム卿の正気を疑った。 「わ、わたしは 貧しいゲットーの出身です。 乞食の出身と言ってもいい。なぜですか。」 それにラビは答えることは無かった。     
/266ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加