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「もしもし」
『アオイ、大丈夫か』
「え?」
『毬亜』
「うん、大丈夫」
もちろん、一寿が名乗る必要はないが、それにしてもせっかちだった。
毬亜と呼んで深刻さ、もしくは急用性をアピールするのは最近の常套手段になっている。
『旺介氏も伶介夫人も?』
「うん」
『タケに変わってくれ』
それなら直接タケに電話すればよかったのに、と思いながらレストランの入り口を見渡した。
待機しているタケと目が合い、あたしは手招きした。
タケはボディガード然として、黒いスーツ姿でレストラン内に入ってきた。
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