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「そうですか、おじい様は死にたがっていましたから
ちょうど良かったのかもしれません。」
「平和な国は、腐敗がはびこり、貧富の差が大きくなりました。
自らが魔王と名乗り、玉座の間に勇者が来るのを待っていたのです。
自己犠牲と献身の心を持ち、強大な存在に挑む勇気と決断力を持つもの。
ついに現れませんでしたが。」
皇女セラフィナは、残念そうにぼくを見ると、
「仕方ありませんね。すべての力をあなたが継承した以上、
皇帝として相応しい人格を身につけてもらいます。」
7
朝寝坊した僕は、作り置きされた味噌汁をごはんにかけると
急いでかきこんで、小学校へ急いだ。
必死に走っても、足の遅いぼくでは間に合いそうもない。
魔法の力で解決しようかと思った。
そこに妖精の姿をした魔帝の娘セラフィナがあきれ返って
文句をたれてきた。
「朝起きられなかったのは、自己管理できないあなた自身の責任です。」
「魔法は決められた時間に学校に行けないから使うものではありません。」
けっきょく遅れたぼくだったけど、立たされたりという体罰は
今の時代は、禁止されているのでない。
ただ、今日はテストの日だった。
僕は、運動神経は最低だけど、頭字体は悪くないと自負している。
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