スターイプシロン

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お前たちに数千年の寿命を与えることができる。」 「この未開の惑星で死んだ、貴様は 銀河皇帝ヒンヌノム様の慈悲により 不滅の肉体を与えられた。奴隷として忠義を尽くせば、 この星の生活よりはるかに 良い暮らしができるだろう。」 ハイヤーは、思考の止まった頭で これだけは言わなければいけない。 頭ではなく、心が叫んでいた。 手と足を放り出し、頭を地に着けて懇願した。 「慈悲深き、銀河皇帝ヒンヌノム陛下にお願い申し上げます。」 「我妻グートレと、子供たちにも寛大なご処置を!」 目の前の トカゲは両腕を上げて、いかにも馬鹿げている といったふうに、答えた。 「私は 一兵卒 奴隷ではないが そのような権限はない。」 単に労働力が欲しいだけなら、彼ら、トカゲ いや ドラゴニアン たちは 19世紀の人類よりもはるかに発展した文明を築いており、 当然、ナノテクノロジーを使用した機械、又は、原始惑星から大量の 消耗品としての生命体をつれてくることはできる。 そしてそれはなされている。 つまり、ハイヤーハムシェルの言われた、「選ばれし者。」とは 奴隷とはいえ、知的労働を課されるものたちである。 それゆえに、かなり高度な、教育を受けることになる。     
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