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それから一週間で、世界の全人口の十五パーセントが死んだ。
高額所得者、資産家、大企業の幹部、利権を握る政治家たちが絶滅したのだった。
場所も死因もさまざまだったが、不慮の事故や事件とともに多かったのは、持っていたスマートフォンが異常な電磁波を発して心臓麻痺を誘発するという事故だった。
全世界はパニック状態に陥った。
収拾できる指導者がいなくなっているので、暴動や内戦が頻発し、無政府状態で崩壊する国家がドミノ倒しのように数を増した。
許せん、やっちまえ。
そんな怒号が、理由も対象もはっきりしないまま世界中で飛び交った。
支配や抑圧から解放された人々が世界を修復してより良くするはずだと思われていたが、そんなことはまったくなかった。
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