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復讐したいの
タイトル:復讐したいの(短編小説)
書いた人:甘らかん(かんらかん)
私はとろみ。しがない派遣社員だ。…しがない。しがないとはどういう意味だろう。
インスタントコーヒーを星柄のカップに小さじ2杯入れて湯を注ぐ。ふと、星そそぐなんていう名前が浮かんで消える。昨夜目にしたアイドルの名前がそんなだった気がするが、どうだったか。自分の記憶力の低下にため息が出そうになるのでコーヒーで押し流す。苦い。酸味がきついよりはいいけど小さじ1杯半にすればよかった。冷蔵庫から低脂肪乳を出してカフェオレにする。まろみがでる。
シがないのだろうか。しがないとはそういうことだろうか。じゃあそのシとはなんだろう。クラリネットか? 壊れて出ない音があるのか。たしかに私くらいの年齢になると壊れて出ない音はあってもおかしくはない。
ブラックのままだったらカップの中に顔が映っただろう。低脂肪乳を入れたからどんなかわからない。
ハリもコシもツヤもない顔。新宿でキャッチのお兄ちゃんにも声をかけられなくなった。
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