復讐したいの

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「フッ」とほくそ笑んだところでノンフィクション番組が終わっていることに気づく。パソコンに向かっていたから詳細はわからなかったが、いつも日曜日の午後を切なくする番組だ。カフェオレが苦しょっぱい。今回もそんな内容でお送りされたんだ。  次番組の競馬中継は賭け事嫌いには無意味なのなのでリモコンに手を伸ばす。  パソコンにむかってなにをしていたのか。作業が中断されていた画面を見て、眉間にしわがよる。物件物色中だった。東京23区外は今住んでる23区より家賃が安いに違いないと思っていたが案外そうでもなかった。納得できる物件がない。  ひと息つこう。  8階に住んでいるせいかトイレの水の出が悪い。大は盛大に流れてくれるのだが小が思う通りにならない。煮え切らないチロチロにいらっとして大に切り替えてしまう。大きいのしていないのに…。渦潮のように流れる水をただ見つめる。  今月から新しい会社で働いている。時給は悪くないけれど完全9時5時で残業がないから以前より稼げない。生活もギリギリになる。派遣仲間が主婦ばかりで話が合わない。無口になっていく。  本当は転職なんてしたくなかった。前の会社が好きだった。派遣から契約社員にして欲しい旨は何年も前から訴えていた。尽くして尽くして10年。私のことを見て欲しくて一生懸命尽くした。     
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