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涙声でいう慎を、今までしたことない冷たい目で見つめる私がそこにいる。
「そんなのサイテーじゃん。」
私は最後の言葉を慎に突き刺した。
「もう、知らない。」
「え?」
「もう私と関わらないで。ありえないから。」
ごめん、ごめん慎。
こんなこと言ってごめん。
本当はちゃんと応援してあげられる私になりたかった。
好きに男女なんて関係ない、そう言ってそばにいられる私になりたかった。
でも、そこまでいい人になれないの。
大好きなあなたにはこれ以上ない程私のことを嫌って欲しい。私のことを忘れて欲しい。
そうじゃないと自分に甘い私はどこかで期待してしまうから。
私は慎の傷ついた顔を見ないように扉を出た。
さようなら、慎。
そんな言葉を心で呟いて。
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