面接

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面接

差し出された紙を、テーブルの上で滑らせて、自分の方に引き寄せる。 同時に灰が落ちそうになって、咥えていたタバコを灰皿の上に乗せた。 「で? どれくらいシフト入れそう…?」 「…どれくらいでも」 元気のない返事。 活力というものがない。 ふと、持っていた履歴書の生年月日を見て驚愕した。 自分とは10年近く違う。 だとしたら、目の前にいる女は今まだ20代前半。 自分が20代前半だった頃のことを思い出そうとしたけれど、記憶が曖昧だった。 サラリーマンに飽きてきた頃だったか、勢いで結婚した頃だったか…多分そんな頃だろうが… 少なくともこんな活力のねぇ若者じゃなかったな。 そんなことを思いながら、目の前の彼女を見た。
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