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俺は机の上に置かれていた手紙を掴むと、寝室へと向かった。
七海はベッドで寝ていた。
口元に耳を当てると、微かに寝息が聞こえた。息はあるようだ。さっと視線を巡らせ、ベッドの下やゴミ箱に大量の空瓶や睡眠薬の包装シートが無いかどうか確認する。
俺は念のためポケットからスマートフォンを取り出しながら、彼女の体を揺すった。
「七海。おい。大丈夫か」
「んん……お願い、ワンタン麺だけはやめて……」
よく分からない寝言を言う時は正常の合図だった。
119と入力したスマートフォンをとりあえず枕元に放り、七海の体を揺さぶった。
「七海! 起きろ。平気なのか」
「……んあ、おかえり、ゆきひ……あ!」
七海は俺が握りしめていた手紙に気が付くと、罰が悪そうに半笑いになった。
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