7人が本棚に入れています
本棚に追加
誰にも理解されなくてもいい。そんな彼女を俺は、支えたいのだ。
寝室から覗くと、彼女は居間のソファーに体育座りをしてテレビを見ていた。泣き疲れてぼんやりとしたその表情に話しかける。
「七海。明日、熱出たって言って会社休むからさ。前話していた旅行、ちょっと前倒しで行くか。日帰りだけど」
そう言うと、彼女は花が咲いたように笑顔になった。
「行く! やったあ、初オーストラリアだ!」
「そっちじゃない。下呂温泉の方」
ポンコツだけれど、彼女のそんな笑顔が俺の癒しだ。
最初のコメントを投稿しよう!