第1章 はじめの一歩から *亜紀乃の世界*

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今まで、話しやすかったり…優しかったり…そんな男の子のことが好きだった。 自分からは告白しない。 何となく、そういう雰囲気になって、告白されたらOKして… うまくいかなくなって、冷めて終わっていく…。 そんな恋愛ばかりだった私、平沢 亜紀乃(ひらさわ あきの)は、 高2になってから初めての席替えで前に現れた広い背中に 恋をしてしまった──── 高橋 学(たかはし まなぶ)くん。 バスケ部。 成績はいつもトップ3以内で頭がいい。 長い前髪に、黒ぶち眼鏡。顔はほとんど見えない。 まぁ、背中が好きだから、顔はどうでもいいんだけどね。 高橋くんは、他の男の子みたいに騒がなくて、いつもクールで…寡黙で…クラスでも全然目立たない。 私も席替えするまで高橋くんのこと知らなかったし…。 友達に話しかけられない限り、本をずっと読んでるようなそんな男の子だ。
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