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不意に
「先輩。俺のこと、男と思ってないでしょ」
「私に男と思われたいなんて
10年早いわ!!
シバなんて柴犬のシバでしょ!」
「違いますよ!そんなんだから
男いないんですよ!!」
「いるわよ!!男ぐらい!!」
「。。。。えっ。いるんですか?。。。彼氏??」
「いっ。。。いたわよ
一週間前に別れた。。。」
「あー。なるほど。。。
あーびっくりした!!
彼氏持ちの家に男が入るとか修羅場ですからね!」
「誰が男だ!よくてあんたなんて弟よ!!」
「ひっでーーなーー!
俺だってやるときやるんですからね!」
「はいはい。
さっさと風呂に入ってこい!!」
「でも、着替えなんて。」
小さな洋服ダンスの下の棚から男物のスエットとパンツを出してシバに渡した
「なんで、男物の持ってるんですか??」
「あー。。。元カレの。。泊まり用においてあんのよ
そんなのどーでもいいから行ってこい!
脱衣場にタオルあるから好きなの使って」
「うっす」
シバが少ししんみりした顔で風呂に行った
後輩といえど男と気づいてしまい
酔いも合間って心拍数がすこし高い気がする
数分前まで気にしなかった
ソファーに散らばった下着も
恥ずかし思えた
相手は、ただの後輩
しかもシバだぞ?私が動揺してどうする
気持ちを落ち着かせる為に
手元の酒が進んでいく
何杯飲んだのだろう
もう、よく分からない
「先輩。お先です
お風呂に男物のシャンプー合ったんで
使いましたけどよかったですよね?」
かぎなれたシャンプーの匂い
好きな人の匂いを強く感じたくて彼氏の
服だけ彼用の柔軟剤を買った
お風呂あがりの匂いが好きでシャンプーも用意した
親しく感じなかった懐かしい匂いに
目を閉じて香りに酔っていた
目を開けたらカレがいた
恋しくなり抱きついた
「別れるなんていわないで!!
あなたの為に仕事もやめて結婚して家庭に入るから
だから、別れるなんていわないで!!」
一度離れた物にしがみつき
好きな人の匂いに溺れた
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