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「はい、どうぞ」
「ありがとう。いただきます!」
手を合わせて元気よく言った私の言葉に、母が優しく微笑んでくれる。
私の前ではほとんど見せなくなったけど、まだ辛い表情をすることがあるのを知っている。
夜、お茶を取りにキッチンへ行った時に、リビングで母が泣いているのを見た。
私が学校へ行こうとして、忘れ物に気付いて戻った時に、悲しそうな顔をしていたのを見てしまった。
私では力不足なのかもしれない。
引きこもっているのだから、死んでいないと思い込んでいても、それすら悲しいはずだ。
でも、詩を消してしまうわけにもいかないし、いくら双子とはいえ、ボロが出てしまっては私の嘘が明るみに出ることになる。
そんなことを考えながら、程よく焼けたトーストにパクリとかじりついた。
サクフワの食感と、口の中に広がったバターの芳醇な味わいに、胸が苦しくなる。
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