消えゆく君の声

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消えゆく君の声

「ねぇ、目を開けてよ」 そんなこと言っても無駄なの分かってる。 白い光に包まれる病室には無慈悲な機械音と那奈の穏やかな呼吸音だけが存在していた。 私はもう何度目かわからないお見舞いに来ていた。 白い肌に黒髪の那奈は寝たきりでもとても可憐で_ 「まるで白雪姫みたいだね」 私が毒リンゴの呪いから解き放ってあげるからね、那奈。 ささやかながら強い決意を胸にし、私は病室を後にした。
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