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「こっちゃんごめんね、おっきい声だしちゃった。かくれんぼ、してるの?」
幼稚園でこしょこしょ話をするときのように話しかける。琴子はうん、とうなずいて、にこにこ笑った。
「いま、わたしの勝ちが3回で、美月ちゃんの勝ちが2回なの。これでわたしが見つからなかったら、今日はわたしが優勝よ」
だから絶対見つかるわけにはいかないの、と意気込む琴子を見て、美雨は協力してあげたくなった。力を貸したら、やさしい子になれるかもしれない。
「じゃあ、美雨、こっそりあっち見てくる! ぜったい、こっちゃんの場所は言わないから、だいじょうぶ!」
何かを企むもの同士くすくすと笑い合うと、美月はそっと公園の入り口に向かった。
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