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きぃぃ、と背後から耳障りな音が聞こえた。
重い腰を上げてカメラを部室に取りに行った帰り、この空教高校のシンボルたる時計塔の近くを通ったところ、奇妙な音が聞こえたのだ。
振り返って背後を見るが何もない。
いつもと変わらぬ時計塔だ。
この時計塔は高さは二十メートルほどの戦前から存在する歴史ある塔で今でも立派に作動している。
それはともかく扉が開いたような音が聞こえたのだけれど。
時計塔の扉は普段閉まっており、その鍵は生徒会が管理している。
そのため一般人は入ることはできないはず。
空耳だろうか。
そのときはそう納得して気にも止めなかった。
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