例え今日が『終わりの日』であろうとも

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「‥‥頑張ったけど‥‥もうダメね。流石に‥‥よく引っ張ったと、自分でも思うわ‥‥」 諦めたように小声で彼女が囁く。 「‥‥もう良い。いいから‥‥!」 幹夫が清美の手を握る。 体温を感じない、冷たい手だ。それはまるで薄いガラス細工のようで、触れただけでも砕けてしまいそうだった。 「あのね‥‥『清美』は大学で勉強がしたかったんだって。けど、それは叶わなかったから。だから『私』が引き受けることにしたの、勉強‥‥」 幹夫は彼女の顔を見る事が出来ない。 泣きじゃくる顔を見せたくないのだ。 「それともうひとつ‥‥『清美』はね。あなたの様な人がタイプだったみたい。清美さんは素敵な人と恋人同士になって、デートするのが夢だったって言ってたから。 だから、『それ』も叶えてあげたかった。‥‥ありがとう、協力してくれて。ホントに、感謝して‥‥ると‥‥おとう‥‥」 彼女の意識が遠のいていく。 室内にピー‥‥!ピー‥‥!と警報音が鳴り響く。同時に先程の看護師が入ってきた。 「‥‥ごめんね、外に出ててくれる?先生っ!須藤さん、心肺微弱状態です!」 慌てて看護師が数名と、白衣の医者が飛び込んでくる。 幹夫は、意を決して待合室の電話機に走った。 電話を掛ける先は『警察』だった。 「すいません!そちらにスドウという‥‥」
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