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「ありがとう。でもな、ここからは『親族』の出番だよ。‥‥君とはここでお別れにしよう」
男はそれが医師の前であるにせよ『親族』と名乗った。
「そうですか‥‥そうですね。分かりました。では、後はよろしくお願いしします‥‥」
後ろ髪を引かれる思いはあるが、それでも『これ以上は』と考え、幹夫は病院を後にすることにした。
とりあえず、最期の最期に『親子』で和解をする橋渡しが出来たのなら、それで良かったのだろう。
幹夫が重たいガラスの扉を開けて外に出る。
暗い夜道は、何時の間にか白い雪景色に変わってっていた。
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