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「……弟は、頭も良くて、運動神経も良くて……しかも大企業に就職も内定していましたよ。
それなのに、内定を蹴って、大学院に進学すると言っていました……」
俺は兄だが、何一つ弟に勝てなかった気がする。
興梠は、少し返事に困っていたが、倉田の手が動き出したので、話題を変えた。
「ここに来た時に、生きていた時の能力を、一つ持ってきている」
倉田は書く事であった。
「俺の能力って何でしょう……」
「その内、気付くでしょう」
倉田のノートを覗き込むと、長い文章が書き込まれていた。
任務の見出しとしては、『そこで待っている』と書かれていた。
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