第一章 そこで待っている

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 目が覚めたら、見知らぬ部屋にいた。  飛び起きて見回したが、全く記憶がない。 ここは、どこかのアパートの一室のようで、部屋には窓と玄関があった。 下を見ると畳になっていて、ここが日本なのだと分かる。 小さなコンロも、水道も、かなり古いが、現在も使用されているものであった。 「……どうなっている?」  和室、四畳半の部屋の中央には炬燵があり、そこに一人の青年が座っていた。 青い半纏を着て、ペンを持った状態で、眠っているのだろうか全く動かない。 「あの、ここはどこでしょう?」  酔っていた記憶はない。 誰かの部屋のようだが、ここにいる青年に見覚えがない。
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