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俺、市来 大護(いちき だいご)は、中堅の旅行会社でツアーコンダクター兼
企画室として働いている、二十三才男性であった。
大手旅行会社に、飛行機や電車、ホテルもイベントも、あれこれ先に押さえられてしまい、
中堅の旅行会社というのはかなり辛い。
そこで、始めから少人数でしか行けない土地の企画を打ち出したところ、
自分でツアーコンダクターをして行って来いと言われてしまった。
自分で企画したのだが、かなりハードなスケジュールで、孤島を巡り、廃墟を探索し、
洞窟や温泉を巡るという、秘境につぐ秘境のコースで、かなり疲れた。
無事、客を帰して、報告書を作成するために会社に寄ったのだが、皆は帰社後で誰も
いなかった。
俺は仮眠してから報告書を作成しようと、来客用の椅子を並べて横になった。
そして、目が覚めると、ここに居たのだ。
「あの、俺は、どうしてここに居るのでしょうか?」
ノートに文字が綴られてゆく。
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