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「あなたは死にたいのですか?」
治療をしながら聞かれた。一条の目は真剣だ。俺はそんな一条から目を離し、俯く。
「死にたいのではなくて、死にそうな自分に興奮しているのでは?」
(死にそうな自分…)
確かに、死にそうな瞬間は興奮する。そしてそれに幸福を覚えるのも事実だ。
俺は何も言えなくなり、口を結ぶ。
一条は治療を終え、俺の首元に触れる。
不思議に思い顔を上げる。
ぐっ――
視界には一条の顔と天井。
そして、俺は一条に首を締められている。
後ろに倒され、首を締められる。
なんだ。なんだ。頭がパニックを起こし、酸欠になる。
苦しい。一条は笑ってる。怖い。一条の手を引っ掻く。締められてる手は外れない。
「どうですか、死にそうな瞬間は」
一条は楽しそうだ。俺は何故かその顔を見て苦しいのに興奮している。
なんだこの気持ちは。可笑しい。頭が壊れたか。
「はぁっ、く…!」
身体が痙攣する。真っ白に染まってくる。一条に、耳を舐められる。
俺はその瞬間、身体を震わせ吐精した。
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