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首から手が離れ、急な空気にむせる。
そして、吐精した余韻に身体がダルい。
一条はそんな俺を見て笑うと抱き上げ風呂場へ連れていく。
「大丈夫ですか?1人で入れます?」
服を脱がされる。俺は、くたりと一条に寄りかかる。身体がダルい。動けない。
「ふふ、一緒に入りましょうか」
一条はそう言うと服を脱ぎ、俺の服も全て脱がすとそのまま抱えて風呂に入った。
身体を温かいお湯が当たる。風呂にある鏡に映る俺と一条。首には紫色の痕が付いている。
俺はそれを見て、再び身体が熱くなった。自身が頭を上げる。それに気付いた一条はくすりと笑う。
「ほんと、可愛いですね」
「え」
するりと首を撫でられ、びくんと身体が揺れる。一条は愛おしそうに見つめる。
甘い。こんな空気初めてだ。
恥ずかしい。やめて欲しい。
「夏城さん、私のものになりなさい。いいえ、ものではなく恋人に。私はあなたを人目見た時から愛しくて儚いと思いました。これからは、ずっとここに住み私の帰りを待ってください。拒否権はありません。逃がしません。あなたを傷付けるのは今もこれからも、他人でもなくあなたでもなく、私です。」
なんだこれ。恋人って。
可笑しいだろ。ただの患者と医者の関係だったのに。
「好きでもないのに、恋人なんて…」
唇を塞がれた。目を見開く。ぺろりと唇を舐められ妖艶に笑う。
「これから好きにさせます。愛してますよ。環」
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