七曲蜊亞俄津馬

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本名は、誰も知らない。 彼なのか彼女なのかさえ分からない。 だけどその美声は、老若男女問わず魅せられ虜となる。 しかし人気が低迷した煽りに人々はその存在をまるで消し去ったように扱ってしまった。 自分が何だったのかさえ分からないまま。 その存在は、世界から弾き出された。 何処にも居場所なんて無いままに。 七曲蜊亞俄津馬(ななまがりあがつま)という奇妙な名前だけが酷く歪に残るだけとなった。
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