風が吹いたから

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「では、お昼おわったら、リーダー室にきてください。」 ふー。今日はバタバタしそうだな。 午後からっていっても、勤務は3時までだから、そのあと、4時から学校の懇談会。 間に合うかな。  午前の仕事が終わり、リーダー室に行きく。若い本社採用のエリートと思われる主任に挨拶する。 「はじめまして、町田です。」 「あ、はじめまして、岩田です。よろしくお願いしますね。」 まー、可愛い顔してる人だわねー。品も良さげで、ブランドのシャツ着てるわ。高いよね。若いのに買えるってのは、ボンボンなのかしら。新人だから、こんな田舎の倉庫にあてられたのね、かわいそうに。 「じゃ、戻って。町田さん?町田さん!」 「あー!はいはい」 私はそそくさとリーダー室を後にする。 そりゃ、おばちゃんだもの。いろいろ妄想するわよ。 一通り仕事も覚え、3時ジャストにタイムカードを押す。 急がなきゃ。自転車で大急ぎで帰る。 五分で家に着き、洗濯物を取り込み、ご飯を研いで炊飯器にセットする。 しめて時間は25分。学校まで10分として、あと20分。 ようやく心を落ち着かす。 鏡に向かう。 更年期にさしかかっているのか、最近、汗をよくかくようになった。 まずは顔をあらう。スキンケアをしてからのメイクへ。 メイクが終わると、ここからは、精神統一。秘密の時間。 そして、少し乱れてるわね。 手入れしないと。 スーパーギガフサッサーを手に取る。 フサッサーって。ほかにネーミングなかったのかね。 心の中で毒づく。 そう、私の秘密は、頭に髪の粉をふりかけている。 そう、私は薄毛。
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