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1950の一瞬
人生はありったけのコークで作られている。炭酸が抜けてしまう前に、さあ、強盗に出かけよう。
その日は雲一つない晴れた日だった。外では太陽がご機嫌だというのに、フロントガラスにこびりつく乾いた泥のおかげで眩しさはない。洗車をする時は随分時間がかかるだろうと睨みつけていると、運転手が笑った。
「乗り心地はどうだい?」
「最高だよ。特にこのフロントガラスがね、おかげさまでサングラスを付けなくて済む」
「これはオークランドの泥をふんだんに使用した特注のフロントガラスでね。晴天の日にこそ力を発揮する」
男は得意げに語っていたが実際は洗車が面倒なのだろう。車内は埃と土汚れだらけ、私の汚れた靴をダッシュボードにのせようが怒られない無法地帯だ。
それでも楽しいと思ってしまうのは気の知れた仲間が一緒だから。まるでピクニックに行く気分だ。残念ながら車を走らせる目的は強盗なのだけれども。
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