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あれ
どうしよう。
わかんない、わかんない、わかんない。
メモちょうをかくにんする。
17:18
上野行きの電車にのる。
ガタンゴトン、ガタンゴトン
メモちょうに書いてあるのは、そこまで。
白、緑、青、黒。
知らない、たてものばかり。
ここは、見たことのないばしょ。帰り道じゃない。
「あの。ここはどこですか?」
とおりかかった、わかい女の人に聞いてみる。赤と黒の服。とても、きれいな人。
あっ
ビックリさせちゃったみたい。
女の人は、答えてもくれず、走っていっちゃった。
「あの。ここはどこですか?、ここはどこですか?」
近くにいた、スーツすがたの人たち。青い服、黒い服、茶色い服。
たずねてみたけど。
みんな、僕を避けるように、離れていっちゃった。
なんで、みんな、僕のことを助けてくれないのだろう。
こんなに困っているのに。
あたりをフラフラ、フラフラ。
「あの。助けてください。誰か、助けてください」
いっしょうけんめい、いっしょうけんめい言っても、誰も、僕を相手にしてくれない。
悲しい。すごく悲しい。
あたりが、だんだん暗くなっていく。
助けて、お母さん。
おねがいだから、助けて。
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