序章 第2話 壊れ始める幸せ

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この3か月で変わったことはいくつかある。 一つは国の内情についてだった。 騎士団の全員が今現在、この国にいないため、他国に攻め込まれてきたら ひとたまりもないほどになっており、それを隠そうと、国交を断絶している。 2つ目はこの国の男女比についてだ。 ほとんどの男性は騎士団に入団しているため、 現在、この国にいる男性は騎士団を辞めたお年寄りや病人、怪我人。 そもそも騎士団に入らなかった商家の人々、まだ入れない子供のみであり、 今やこの国の8割が女性となっていた。 そして3つ目はこの家だけかもしれないことだが、 愛する人や父親、兄弟が一向に帰って来ないということから、 家で待つ女性たちにはあからさまに生気がなく、 この家の家事全般を今はボク一人がしているということだ 母さんも最近は良く涙を流すようになっていたし、 元気が取り柄のローザも最近は浮かない顔をしていて、どうにも話しかけづらかった。 しかし、そんな国の内部が暗くどんよりとしているときに限って、出てくるものがいる。 そいつらは突然、ぼくたちの家へとやってきた。
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